父ハスガタコソミエザルモイツデモオマエタチヲ見テイル。
ヨクオカアサンノイイツケヲマモッテ、オカアサンニシンパイ
ヲカケナイヨウニシナサイ。
ソシテオオキクナッタレバ、
ヂブンノスキナミチニスヽミ、リッパナニッポンジンニナルコト デス。
ヒトノオトウサンヲウラヤンデハイケマセンヨ。
「マサ ノリ」「キヨコ」ノオトウサンハカミサマニナッテ、
フタリヲジ ット見テイマス。
フタリナカヨクベンキョウヲシテ、オカアサ ンノシゴトヲテツダイナサイ。
オトウサンハ「マサノリ」「キヨ コ」ノオウマサンニハナレマセンケレドモ、
フタリナカヨクシナサイヨ。
オトウサンハオオキナジュウバクニノッテ、テキヲゼンブ ヤッツケタゲンキナヒトデス。
オトウサンニマケナイヒトニ ナッテ、オトウサンノカタキヲウッテクダサイ。
マサノリ キヨコ フタリヘ
父より。
久野正信 中佐 第三独立飛行隊
昭和二十年五月二十四日出撃戦死 二十九歳
◆特攻隊員の最後の言葉を収めた知覧特攻平和会館編「いつまでも、いつまでもお元気で」（草思社）の一編である。終戦の年５月に戦死した久 野正信中佐２９歳、子供たちはカタカナがやっと読める年ごろだろう
◆数日前の新聞記事に目を落とす。東条英機元首相が終戦直前に綴ったという手記に、国民を「無気魂」（＝だらしない）と批判した一節があった
◆〈オトウサンハ「マサノリ」「キヨコ」ノオウマニハナレマセン…〉。 血を吐くように書き残した父の、おそらくは泣き腫らした目で幾度も読み返しただろう子の、手紙の形はとらずとも、父子と同じ悲しみに耐えた数限りない人々 の、どこが「無気魂」か。そういう指導者のもとで遂行された戦争である
◆うそか本当か、Ｂ２９と聞いて「そんな軟らかい鉛筆があるの？」と尋ねる若い人も いると聞く。語り継がねばならない。悲しい手紙が二度と書かれることのないように。
私は、この手紙が好きです。
「人のお父さんをうらやんではいけませんよ。」
お父さんは戦死します。
しかし、お母さんに駄々をこねないでください。
そして、新しいお父さんがほしいなんて言わないでください。
お父さんは、一人しかいないんだよ。
絶対にお父さんを忘れないでほしい。
私にはそう、読み取れます。
「俺を絶対に忘れないでほしい・・・」
なんかそんな風に思えます。
「お父さんは、お馬さんにはなれませんけれども・・・」
そういえば、昔やってもらったなぁ・・・お馬さんごっこ・・・
それに、子供を残して戦地に赴いたことがどんなにつらかったことか・・・
それを思うと涙が出てきます。
「お父さんは・・・敵をやっつけた元気な人です！」
ちょっと意味がわからないですよね？
たぶんこれは、検閲があったからかなぁ～とか思います。
検閲とは、手紙を送る前に内容をチェックされることです。
生きて帰りたい・・・と・・・・
かけなかったのだろうな・・・・
戦争かぁ・・・
確かに、小さいときは軍隊ってすごいなぁ
なんておもったりもしたけど・・・・
大人になってみると、そんなのいらないよ！っておもいます。
別に憲法９条反対（共産党）
なんてことは思いもしません。
それに、自衛隊は違憲である！
そんなこともおもいません。
こんな手紙を書かなくてはいけなかった時代があったんだと思うと
悲しい気持ちになります。
平和ってなんだ？
戦争ってなんだ？
いろいろと思うことはあります。
でも、大昔にはこんな悲しい出来事があったことを忘れないでほしいですね。
人間関係に嫌になった人
仕事に疲れた人
自殺したって何も始まらない！
そうおもいませんか？
小さな失敗くらいなんだ！
お国のために死ぬほうがどれだけつらいか
そうおもいませんか？
大昔は死にたくないのに、死んだ人もいたのだ！
そんなことを言いたくて書いてみました。
兄ちやんより
なつかしい静（しい）ちゃん！
おわかれの時がきました。兄ちゃんはいよ出げきします。
この手紙がとどくころは、沖なは（縄）の海に散ってゐます。
思ひがけない父、母の死で、幼ない静ちゃんを一人のこして いくのは、とてもかなしいのですが、ゆるして下さい。
兄ちゃんのかたみとして静ちゃんの名であづけてゐたいうびん （郵便）通帳とハンコ、これは静ちゃんが女学校に上るときにつ かつて下さい。時計と軍刀も送ります。これも木下のをぢさんに たのんで、売ってお金にかへなさい。兄ちゃんのかたみなどより、 これからの静ちゃんの人生のはうが大じなのです。
もうプロペラがまはつてゐます。さあ、出げきです。ではお兄 ちゃんは征きます。泣くなよ静ちゃん。がんばれ！
ヨクオカアサンノイイツケヲマモッテ、オカアサンニシンパイ
ヲカケナイヨウニシナサイ。
ソシテオオキクナッタレバ、
ヂブンノスキナミチニスヽミ、リッパナニッポンジンニナルコト デス。
ヒトノオトウサンヲウラヤンデハイケマセンヨ。
「マサ ノリ」「キヨコ」ノオトウサンハカミサマニナッテ、
フタリヲジ ット見テイマス。
フタリナカヨクベンキョウヲシテ、オカアサ ンノシゴトヲテツダイナサイ。
オトウサンハ「マサノリ」「キヨ コ」ノオウマサンニハナレマセンケレドモ、
フタリナカヨクシナサイヨ。
オトウサンハオオキナジュウバクニノッテ、テキヲゼンブ ヤッツケタゲンキナヒトデス。
オトウサンニマケナイヒトニ ナッテ、オトウサンノカタキヲウッテクダサイ。
マサノリ キヨコ フタリヘ
父より。
久野正信 中佐 第三独立飛行隊
昭和二十年五月二十四日出撃戦死 二十九歳
『読売新聞』－「編集手帳」
◆特攻隊員の最後の言葉を収めた知覧特攻平和会館編「いつまでも、いつまでもお元気で」（草思社）の一編である。終戦の年５月に戦死した久 野正信中佐２９歳、子供たちはカタカナがやっと読める年ごろだろう
◆数日前の新聞記事に目を落とす。東条英機元首相が終戦直前に綴ったという手記に、国民を「無気魂」（＝だらしない）と批判した一節があった
◆〈オトウサンハ「マサノリ」「キヨコ」ノオウマニハナレマセン…〉。 血を吐くように書き残した父の、おそらくは泣き腫らした目で幾度も読み返しただろう子の、手紙の形はとらずとも、父子と同じ悲しみに耐えた数限りない人々 の、どこが「無気魂」か。そういう指導者のもとで遂行された戦争である
◆うそか本当か、Ｂ２９と聞いて「そんな軟らかい鉛筆があるの？」と尋ねる若い人も いると聞く。語り継がねばならない。悲しい手紙が二度と書かれることのないように。
私は、この手紙が好きです。
「人のお父さんをうらやんではいけませんよ。」
お父さんは戦死します。
しかし、お母さんに駄々をこねないでください。
そして、新しいお父さんがほしいなんて言わないでください。
お父さんは、一人しかいないんだよ。
絶対にお父さんを忘れないでほしい。
私にはそう、読み取れます。
「俺を絶対に忘れないでほしい・・・」
なんかそんな風に思えます。
「お父さんは、お馬さんにはなれませんけれども・・・」
そういえば、昔やってもらったなぁ・・・お馬さんごっこ・・・
それに、子供を残して戦地に赴いたことがどんなにつらかったことか・・・
それを思うと涙が出てきます。
「お父さんは・・・敵をやっつけた元気な人です！」
ちょっと意味がわからないですよね？
たぶんこれは、検閲があったからかなぁ～とか思います。
検閲とは、手紙を送る前に内容をチェックされることです。
生きて帰りたい・・・と・・・・
かけなかったのだろうな・・・・
戦争かぁ・・・
確かに、小さいときは軍隊ってすごいなぁ
なんておもったりもしたけど・・・・
大人になってみると、そんなのいらないよ！っておもいます。
別に憲法９条反対（共産党）
なんてことは思いもしません。
それに、自衛隊は違憲である！
そんなこともおもいません。
こんな手紙を書かなくてはいけなかった時代があったんだと思うと
悲しい気持ちになります。
平和ってなんだ？
戦争ってなんだ？
いろいろと思うことはあります。
でも、大昔にはこんな悲しい出来事があったことを忘れないでほしいですね。
人間関係に嫌になった人
仕事に疲れた人
自殺したって何も始まらない！
そうおもいませんか？
小さな失敗くらいなんだ！
お国のために死ぬほうがどれだけつらいか
そうおもいませんか？
大昔は死にたくないのに、死んだ人もいたのだ！
そんなことを言いたくて書いてみました。
兄ちやんより
なつかしい静（しい）ちゃん！
おわかれの時がきました。兄ちゃんはいよ出げきします。
この手紙がとどくころは、沖なは（縄）の海に散ってゐます。
思ひがけない父、母の死で、幼ない静ちゃんを一人のこして いくのは、とてもかなしいのですが、ゆるして下さい。
兄ちゃんのかたみとして静ちゃんの名であづけてゐたいうびん （郵便）通帳とハンコ、これは静ちゃんが女学校に上るときにつ かつて下さい。時計と軍刀も送ります。これも木下のをぢさんに たのんで、売ってお金にかへなさい。兄ちゃんのかたみなどより、 これからの静ちゃんの人生のはうが大じなのです。
もうプロペラがまはつてゐます。さあ、出げきです。ではお兄 ちゃんは征きます。泣くなよ静ちゃん。がんばれ！
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